中古マンションの耐震性と地盤との関係性、自分で地盤を調べる方法まとめ
昔から地震が多い日本ですが、ここ数年は特に大きな地震が立て続けに起きています。
いくら免震や制震マンションに住んでいたとしても、もしその建っている地盤がしっかりしたものでなければ安心して暮らすことが出来ません。
今回はそんな地震で起きる地盤の変化と、自分で買おうと思っているマンションの地盤を調べる方法をまとめました。
地震と地盤の関係とは?
地震の揺れは震源地に近いほど大きいということはよく知られています。
それに加えて、地盤が軟弱だと揺れが増幅されて被害が大きくなることが分かっているのです。
加えて地盤によっては揺れ以外の被害が起きる可能性があります。
その被害とは、大きくは「斜面移動」と「液状化現象」の2つです。
斜面移動が起きる原因とは?
斜面移動とは土砂災害の一つで「傾斜した地面が下方に動く現象」のことです。
よく聞く言葉としては「地すべり」「クリープ」「崩壊」「崩落」「土石流」がこれに当たります。
この中で地震が原因によって起こるのは「地すべり」「崩壊」「崩落」の3種類です。
「地すべり」は塊状を保ちながら斜面が滑り落ちる現象・「崩壊」は急な斜面が地震の力によってばらばらに分解しながら落ちてくる現象・「崩落」は急な崖の一部が巨大な塊のまま落下する現象を指します。
これらは、日常的に斜面にかかっている重力に加えて、地震の力が斜面・崖面をすべり落とそうとすることで起きます。
斜面移動の起きやすい場所を知る方法とは
自宅や学校など近くに斜面災害の危険があるかどうかを知る方法ですが、これは自治体のホームページに掲載されている防災情報をチェックすると確認することが出来ます。
もし自分の自治体ホームページのどこに記載されているかわからない場合は、下記より当該ページへ飛ぶことが出来ます。
もしくは斜面の近くに「急傾斜地崩壊危険区域」を示す地図が印刷された看板が建てられていることがあります。
これはその地域の治水事務所が建てるのですが、近辺の危険な傾斜地が赤い枠線で表示されています。
液状化現象が起きる原因とは?
液状化現象とは「一見硬そうな地盤が地震の揺れで液体状になる現象」のことです。
地盤が液状化することで地上の建物や道路などが沈下したり傾いたり、水道管が浮き上がり断水するなどの影響が大きいです。
この液状化現象ですが、下記の3つの要因が揃うことで起きます。
- ゆるい砂地盤:海岸や河口付近、埋立地で多く見受けられます
- 地下水の位置:地下水位が地表から10m以内で起きやすくなります
- 大きな地震の揺れ:震度5以上で起きやすくなります
上記のような条件の土地が下記の流れで液状化してしまいます。
- 地震の揺れによって地盤全体が変形、地盤の隙間の水を押し出す力が働きます。
- 地盤の隙間の水圧が高くなり、砂地盤の砂同志が接触する力を弱め「泥水」のような状態になります。
- 泥水の中野砂が沈降し、砂粒同士の隙間が小さくなり地盤が沈下します。
液状化現象の起きやすい場所を知る方法とは
自分の住んでいる土地が液状化しやすいのか知る方法としては「地盤調査」や「水位測定」などの検査で測ることが出来ます。
ですが、今すぐ可能性があるかどうかを知りたいのであれば「地盤サポートマップ」を利用されるのがおすすめです。
まず画面を開いていただくと、左上に「住所検索」の窓がありますので、こちらに見たい地域名や住所を入力します。
該当の住所に移動した後は、確認したい場所で右クリックをすることで黒いカーソルが出現し「詳しい情報はここを押してね」と出てきます。
このリンクをクリックすることで、詳細な情報が出てきます。
この時に出てくる情報は以下のとおりです。
- 標高
- 地形
- 地質
- 最寄り駅と駅までの距離
- 最寄りバス停とバス停までの距離
- 周辺の公演情報
- 周辺の避難所情報
- 浸水の可能性の有無
- 地震時の揺れ安さ
- 液状化の可能性
- 土砂災害の可能性
最寄りの避難所など、地震などの災害が起きた際に役立つ情報も載っていますので一度見ておかれることをオススメいたします。
マンションは一戸建てよりも基礎が安定している?
上記のように、地盤が弱いことは揺れが大きくなるだけでなく、他の影響も考えられます。
では、これから中古住宅を探す際には一戸建てとマンションどちらがいいのでしょうか?
一戸建ては建て方がまちまち
一戸建ては2000年の建築基準法改正で地耐力(地盤の強さ)に応じた基礎構造にすることが義務付けられました。
ですが、それ以前は家を建てる前に地盤調査も行わないケースも多々ありました。
このような状況でしたので、軟弱な地盤への対策が不十分なために液状化現象によって家が傾いたりといった被害を受けたケースが多く報告されました。
マンションは地盤調査の上、建てられている
マンションは「建築確認」という審査を通らなければ、販売はおろか広告を打つことすら出来ません。
この建築確認は「これから建築しようとする建物が建築基準法などの法令に適合しているか」を審査するものです。
その検査の中には、ボーリング調査による詳細な土質の確認及びその土質に合った設計が含まれています。
もし表面の地盤が軟弱な場合には、一定の強度を持っている支持層といわれる層まで杭を打ち込む「杭基礎」で建物が沈まない対策を取っています。
表面の地盤が軟弱でない場合には、杭を打たない「直接基礎」によってマンションが建てられています。
以上のような理由から、価格が安くなる築20年以上の物件を探すのであればマンションのほうが安全であるといえます。
まとめ
以上、中古マンションと地盤の関係をまとめました。
- 地盤が弱いと、地震の揺れが大きくなる可能性が高い
- 「地盤サポートマップ」でネット上から地質を確認できる
- 2000年以前に建てられた一戸建ては地盤対策が弱い可能性あり
- マンションは支持層まで杭を打ち込む必要がある
マンションなどの不動産は築20年経つと資産価値の下落が緩やかになります。
よって築20年から25年程度の物件を購入してリノベーションされるのがオススメだといえます。
[ad1]