リノリウムのメリットおよび注意点とは
2022/07/07
リノリウムとは、自然素材でできた建材の一つです。
亜麻仁油や石灰岩、松脂、木粉、コルク粉などの天然の材料を加工し、ジュートという布にくっつけて作った素材です。
最近は素材にこだわった建材を使うことが人気になってきており、家具や小物でも、珪藻土やコルク、無垢材などというワードをよく目にするようになりました。
リノリウムはもともと公共施設でもたくさんの場面で使われていましたが、最近では一般住宅でも人気が出てきています。
ここでは、リノベーションにおけるリノリウムのメリット・デメリット及び注意点についてお伝えしていきます。
リノリウムの用途とは
リノリウムはこれまで、学校や病院などでの利用が多い素材でしたが、最近では住宅の床材として使われることが増えました。
そもそも、リノリウムには抗菌作用があることから、学校や病院で使われていた素材です。
最近ではその特徴を利用して、洗面所やトイレ、キッチンの床材として採用されることが多くなっています。
また、水回り以外にもフローリングと比べて滑りにくく、天然素材で出来ていることから子ども部屋に利用されることもあります。
リノリウムのメリット・デメリット比較
リノリウムは、その素材・成分からたくさんのメリットがあります。
デメリットと比較してお伝えしていきます。
メリット1:自然素材なので体にやさしい
建材等に含まれる化学物質が体に影響を及ぼし健康被害をもたらすことを総称してシックハウス症候群と呼びます。
一時期このシックハウス症候群が大変問題になり、建築基準法や宅建業法の一部も改訂がありました。
石綿(アスベスト)の問題については、社会問題にもなりましたから記憶に残っている方もいらっしゃるでしょう。
そこから住宅で使う素材でも天然素材のものが注目されてきました。
リノリウムもその一つで、化学物質が含まれていないのでシックハウス症候群の心配がありません。
また、素材の一部に抗菌作用もあることから、衛生面でも安心できます。
アレルギーの方が増えてきている現代では、床材という大きな面積を占める部分では天然素材のものを使うのがオススメです。
食材や化粧品でもオーガニックの商品が人気なように、住宅にも取り入れていきたいですね。
メリット2:耐久性が高い
リノリウムはビニール系の床材です。
他のビニール系の建材と比べてリノリウムはクッション性がある為耐久性が高く、キズや凹みが付きにくいです。
イスやテーブルなどの家具の移動が多い場面でも安心して使えます。
また、万が一火災が起こった時、リノリウムは発火点も高く燃えにくいですし、燃えても有害物質が出ないので通常の素材よりも安心できます。
メリット3:柔らかく歩きやすい
リノリウムはクッション性・伸縮性のある素材なので歩きやすいと言われています。
子供部屋に設置する場合では、小さなお子様でも滑りにくく、転んでもフローリングよりも柔らかいのがポイントです。
デメリット1:最初は香りが強い
リノベーションでリノリウムを採用すると、施工完了後すぐは、リノリウムに含まれる亜麻仁油の香りが強く出てしまいます。
健康に影響があるわけではありませんが気になる方は、施工前に施行会社にリノリウムの香りをかがせてもらうとよいでしょう。
デメリット2:他のビニール系床材に比べてコストが高い
リノリウムは天然素材であることもあり、一般的な床材と比べてコストが高くなってしまいます。
床材だけでなく、他の部分のリノベーションも考えているのであれば、リノリウムを採用することの優先順位をつけて、予算の範囲内で採用するとよいでしょう。
リノリウムを設置・導入する際の注意点
リノリウムの設置・導入を考えている場合の注意点をお伝えします。
お手入れの仕方に注意
リノリウムは溶剤やアルカリ性への耐久が弱く、強い洗剤を使うと傷んでしまいます。
また、水分も吸収しやすくワックスものりづらいです。
お手入れする時はアルカリ性ではない洗剤を薄めてすぐに拭き取るようにしましょう。
ワックスも成分に注意をし、中性・半樹脂のものを使うようにしましょう。
ただ、基本的には洗剤やワックスの利用はせず、できるだけ普段から頻繁に乾拭きでお手入れするということが一番です。
紫外線の当たる場所は注意
リノリウムは紫外線によって変色・劣化することがあります。
計画の段階から直射日光の当たらないところに設置するか、どうしても日の当たる場所に設置するのであれば、サッシやカーテンで紫外線をカットする工夫をしましょう。
まとめ
コストは割高になってしまいますが健康面からみると、リノリウムの導入はオススメです。
特にアレルギー体質の方や小さなお子様のいるご家庭、衛生面に気を付けたい方にはぴったりの天然素材だと言えるでしょう。
リノリウムはこれまで、色やデザインが少ないと言われていましたが、住宅での採用が増えてから少しずつ種類も増えてきました。
ツヤがありシンプルで清潔感があるため、そうした雰囲気を求める方にはデザイン面でもオススメだと言えるでしょう。
その他、お手入れの面や紫外線による影響などよく理解した上でリノベーションに採用するとよいでしょう。
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