在宅勤務増加により変わった、リノベーション時のワークスペース(書斎)のありかた
近年増加している在宅勤務者の中には、今後も自宅で仕事ができるよう、リノベーションで書斎造りを検討している方も多いのではないでしょうか。
以前からリビングの端にワークスペースを取り入れるケースは少なくありませんでしたが、ここでは個室タイプの書斎造りについてもご紹介します。
- ワークスペースに求められる3つのポイント
- オープンタイプと個室タイプの書斎の違い
- 個室タイプの書斎造りの注意点
上記3つのテーマに絞っています。
リノベーションで書斎造りも検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
在宅ワークに求めるのは「集中できる環境」「静かな環境」「机周りの広さ」
従来はオフィスやカフェなどを主な仕事場とする方が大半でしたが、最近は在宅ワークが増加しています。
持ち帰った仕事を片付けるのではなくフルタイムで在宅ワークをこなすためには、オフィスのように働きやすい環境が必要です。
多くの方が求めるポイントは、以下の3つです。
- 作業に集中できる環境
- 静かな環境
- 机周りの広さ
データ参照元:20200605_在宅ワークに関するくらしの変化についての調査結果
在宅といっても、人によって勤務スタイルや仕事内容は異なります。
オンライン会議や電話対応が多い方もいれば、多くの資料を広げて書類等を作成しなければならない方もいるでしょう。
作業に集中できる環境に加え、オンライン会議や電話対応が多い場合は雑音に邪魔されない静かな環境が必要不可欠です。
多くの資料を広げる方は、更に机周りのスペースに余裕も必要です。
在宅ワーク増加によるリノベーションの変化
在宅ワークの増加によって、生活スタイルそのものが大きく変化した方はおおいのではないでしょうか。
大手ハウスメーカーが行った調査によると、「就寝時間に大きな変化はないものの夕食の時間が早まった」という声があり、家族との時間が増えた人が大半でした。
通勤時は難しかった自分のための自由な時間を持てたり、睡眠をしっかりとれるようになったりと、在宅(通勤を要しない)勤務が健康的な生活の実現につながっています。
そのため、リノベーションでの要望もさまざまな変化が見られるようになりました。
特に大きく変化している部分が、ワークスペースや仕事環境に関する要望です。
以前までは壁の一部をワークスペースにすることが多かった
以前までは、独立した書斎は「憧れはあるものの、実際に使う頻度は少ない」というイメージを持つ方も多く、オープンタイプのワークスペースが人気でした。
オープンタイプのワークスペースとは、たとえばリビングの端や階段下のデッドスペースなど、壁の一部を活用した書斎です。
簡単な棚を壁に取り付け、壁に向かった形で机や椅子を設置する方法で、以下のようなメリットがあげられます。
- 家族とのコミュニケーションが取りやすい
- 子供の様子を見ながら作業できる
- 共用部にあるため散らかしにくい
- 子供のスタディスペースとしても利用できる
- デッドスペースの活用につながる
パーテーションやカーテンなど工夫次第で半個室状態を作ることができ、ある程度のプライベートを確保しつつ、リビングで過ごす家族の気配も感じ取れます。
コミュニケーションが取りやすく、いたずら盛りの年齢のお子さんがいる場合は子供の様子に気を配りながら作業できる点も大きなメリットです。
リビングや階段下・玄関ホールなどオープンタイプの書斎は、共用部にあるため人目につきやすく、心理的に散らかしにくい場所でもあります。
いつでもきれいな状態を保てるため、使用しないときは子供のスタディスペースや読書コーナーとしても利用できます。
場合によっては、デッドスペースの上手な活用にもなるでしょう。
一方で、オープンタイプゆえにリビングや廊下の雑音が気になったり、機密性の高い仕事を進めにくかったりと、デメリットもあります。
席を離れるときは、小さな子供やペットにいたずらされるリスクも考慮しなくてはなりません。
在宅ワーク増加で個室の書斎が増加
在宅ワークの増加にともない、多くの方が従来のオープンタイプの書斎ではなく個室タイプの書斎を求めるようになりました。
個室タイプといっても、寝室や子供部屋のように6帖近いスペースを用意する必要はありません。
たとえば階段下のデッドスペースやウォークインクローゼットだった場所をリノベーションで書斎にする程度でも十分な環境が整います。
個室タイプの書斎は、以下のようなメリットがあります。
- 業務に集中できる
- オンライン会議や電話対応で雑音が入りにくい
- 機密性の高い書類を保管しやすい
- 子供やペットのいたずらを防げる
- 自分だけの時間を確保しやすい
視界の端にテレビ画面や動き回る家族の姿が入らないため仕事とプライベートを分けやすく、業務に集中してあたることができます。
壁や扉を隔てるとある程度の生活音は防ぐことができ、オンライン会議や電話対応中に家族の声などが入りこむ心配がありません。
扉に鍵を取り付けたり、鍵付きのキャビネットを活用すれば、機密性の高い書類を取り扱うときも安心です。
小さな子供やペットに仕事道具を荒らされることもないでしょう。
また、仕事がないときも「自分だけのスペース」があることで、ゆったりとした時間を過ごすことができるメリットもあります。
ただし、オープンタイプのように家族の様子が分からないため、子供を見ながら作業を進めたい方は書斎づくりに工夫が必要です。
個室のワークスペースを作る際に気をつけることとは
ワークスペースを個室タイプで作りたい方は、メリットだけではなくデメリット面も理解したうえで計画を立てましょう。
- 利用者の人数を意識する
- 快適な環境を確保する
- 業務内容に応じた設備を取り入れる
- 自分自身が出す騒音にも注意する
- 書斎の配置場所も注意する
家庭によっては、夫婦で在宅ワークを行っている場合もあります。
「片方がリビングで子供を見ながら仕事する」などルールを決めるか、書斎を必要とする人数分作るか、あらかじめ家族で話し合っておきましょう。
書斎は机や椅子、窓の位置や棚なども含めて快適な環境作りを意識してください。
雑音が気になる方は簡易的な組み立て式の防音室を取り入れたり、カフェやバーのような音楽を流すと作業に集中しやすくなります。
業務内容に合わせて収納場所やコンセントの数を増やしたり、インターネット回線や電話回線を取り付けたりすることも忘れてはなりません。
夜間作業をすることが多い方や、隣同士で複数の書斎を作る予定の方は、自分自身が出す騒音(椅子を引きずる音など)にも配慮しましょう。
たとえば水回りの近くに配置するか、クッション性のある床材を利用すると階下や隣室にいる家族の邪魔になりません。
また、「窓からすぐ横の玄関が見えるため、訪問客と目が合う」など集中を途切れさせる事態に遭わないよう、書斎の配置場所も注意してください。
まとめ
在宅勤務を選ぶ方が増加傾向にある昨今、リノベーション時に書斎を取り入れることを検討する方も増えてきました。
従来はリビングや寝室にオープンタイプのワークスペースを作る方が大半でしたが、いまは集中しやすい個室タイプの人気も高まっています。
リノベーションで書斎造りを希望している方は、まず「自分自身の業務スタイルに合った快適な環境は何か」を明確化することから始めましょう。
[ad1]