せっかく不動産査定書を受け取ったのに、金額しか見ていない人はいませんか?
不動産を売却する際は、まず不動産会社に物件の査定を依頼します。
その内容を見て売却仲介の依頼先を選ぶのですが、この時、金額だけで依頼先を決めてはいけません。
その3つの理由を、不動産売却の仕組みを交えてご紹介していきます。
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不動産査定書の金額が高ければ、売れるのか
不動産は所有者にとって、大切な資産です。
そのため、少しでも高く評価されるとうれしく感じますし、その金額が売れる金額と連動しているように感じてしまいます。
その結果、査定額が高いという理由だけで依頼先を決める人も少なくありません。
査定額が高いという理由だけで業者を決めてはいけない理由は、次の3つです。
- 査定額が高くても、購入希望者が納得しないとその金額では売れない
- 査定額が極端に高い業者は、売主の機嫌を取って契約を取り付けようとしている可能性がある
- 地域の不動産情報に詳しくない業者である可能性がある
不動産の仲介売却では、査定をもとに仲介を依頼した不動産業者に購入希望者を探してもらいます。
ただし購入希望者が見つかっても、売主の間で価格などの条件面の折り合いがつかなければ、売買契約が成立しません。
査定額が高いからといって相場よりも高く売り出すと、購入希望者が見つからなかったり、見つかっても大幅な値引きを受けたりする原因となります。
査定額はあくまでも目安でしかないため、それだけで決めてはいけないのです。
また、不動産会社は売却活動を始める前に、売主との間に「媒介契約」を締結します。
この契約には3種類あり、「一般媒介契約」以外の「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」を締結すると、売主は契約期間中ほかの不動産会社に売却を依頼できません。
いったん契約を結んでもらうため、売主の機嫌を取ろうと相場よりも高い査定額を出す業者があるので注意が必要です。
そういった業者に依頼すると、当然査定額通りに売ることは期待できません。
不動産は同じエリア内でも、路線や周辺施設で値段が大きく変わってきます。
査定額が相場と違うということは、地域の不動産情報にあまり明るくないという可能性も。
これらの理由から、査定額だけで依頼先を決めることはおススメできません。
査定額の根拠を聞くことが大切
不動産売却の査定を依頼する際は、いくつかの業者に並行して依頼しましょう。
それらを比較することで、ある程度物件の相場価格が把握できてきます。
相場よりも高く査定を出した業者があれば、金額の根拠を聞いてみてください。
自社の販売部門で、類似物件の売却実績が多いから。
数年前に保育園が新設され、子育て世代へPRしやすくなったから。
このようにはっきりとした根拠がある場合は、その業者にまかせても問題ないでしょう。
「お客様のために頑張って高額査定を出しました」など、根拠のない数字を出す業者は、売主の機嫌を取っているだけである可能性が大。
避けたほうが無難です。
査定をとる際は、担当者の受け答えの態度や知識量についてもさりげなくチェックしてみるとよいでしょう。
営業マンの知識が豊富で、フットワークのよい不動産会社なら、売却活動にもある程度期待がもてます。
地元密着型の不動産会社が強い理由
不動産会社選びでもうひとつ注意すべき点は、知名度だけで選ばないということです。
不動産会社の中には、テレビコマーシャルを頻繁に流す知名度の高い会社も少なくありません。
そのような業者が悪いということではないのですが、不動産会社では知名度よりも、地域の不動産情報に精通しているということの方がずっと大切です。
不動産の売れ行きは売り出し価格に大きく左右されますが、地域情報に詳しくなければ正しい売値が売主にアドバイスできません。
もちろん内見の際、周辺エリアの情報や物件の特徴をわかりやすく説明できた方が、売買契約が成立する確率は高まります。
悪徳業者を避けるためにも、売却活動をスムーズに進めるためにも、地元密着型の不動産会社を選びましょう。
まとめ
不動産査定書の金額だけで依頼先を決めてはいけない理由が、ご理解いただけたでしょうか?
査定をとる際の接し方や相場に対する根拠などをチェックし、信頼できると感じた会社を選び媒介契約を結びましょう。
不動産の仲介売却は、順調に進んでも3か月から半年程度はかかるといわれています。
物件の立地や状態によっては、それ以上にかかるケースも珍しくありません。
不動産会社は、売却活動をスムーズに進めるための大切なパートナーです。
長期間にわたって付き合う相手となるので、横柄な態度で接するのではなく、こちらも誠実な態度で交渉しましょう。
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