モルタルはセメントと砂を混ぜ、水を加えて練り合わせた素材です。
外壁の素材として長い歴史を持っており、古代エジプト時代から使われていたそうです。
耐震性や耐火性に優れており、塗り方によって豊かな表情が出せるため、日本でも昭和50年代まで多く採用されていました。
ただし、モルタル壁が傷んでくるとひび割れが生じます。
それを放置していると住宅そのものの寿命が短くなる可能性が。
ここではモルタル壁にひび割れが入る原因に加え、修理の概算費用をご紹介します。
外壁の状態を維持することで、大切なわが家の寿命を延ばしましょう。
モルタル壁にヒビが入る原因とは
モルタルは自体は水に弱い素材なので、表面に塗装でコーティングを施します。
塗膜に入るごく細いヒビ「ヘアクラック」は、収縮を繰り返したことで起こる経年劣化のサインです。
表面の塗膜が傷んでくると、モルタルが雨水を吸い込み、太陽光によって乾燥するという収縮を繰り返すことになります。
収縮による変化に対応する柔軟な素材ではないため、これを何度も繰り返すとヒビが入ってしまうのです。
ヘアクラックは浅いため、早めに外壁塗装などのケアを行えば問題ありません。
ただ、それよりも幅が大きな「構造クラック」には注意が必要です。
構造クラックは、施工の不備や地盤の強度不足による不同沈下など、構造上の問題から生じるヒビ。
幅が0.3mm以上で、裏側まで貫通しているという特徴があります。
ひび割れを放置することで起こる問題
耐震性の低下
モルタル壁はパネルを貼り付けるサイディングと異なり、構造と一体化しています。
そのため本来は地震に強いのですが、ヒビから雨水が入って構造から浮いてくると、地震の揺れで剥離してしまう可能性も。
ヒビを早めにケアすることが、耐震性の確保につながります。
構造材の腐食
構造クラックには深さがあるため、建物の内部に雨水が浸入しやすくなります。
構造材である木材や鉄筋の腐食を招いてしまう可能性も。
そうなった場合、補修費用も高額になってしまいます。
見つけたら早めに補修を行いましょう。
もちろん、経年劣化でモルタルが浮いたり剥がれたりしてきている場合もケアが必要です。
ヘアクラックも放置しているとモルタルの浮きや剥がれに発展するので、注意しましょう。
モルタル壁のヒビを直す際の注意点
ヒビが細く周辺に影響が出ていない場合は、DIYで補修することも可能です。
下地処理を丁寧に行い、透湿性の高い塗料を多めに塗りましょう。
モルタルは塗料を吸い込むため、塗料が少ないとうまく塗れません。
水分が蒸発する際塗膜が膨れることがあるため、透湿性が重要となります。
ただしモルタル壁は、仕上がりが職人の腕に大きく左右されるという特徴があります。
できれば住宅に対する専門的な知識と技術を持つ専門店に補修を依頼しましょう。
塗膜に浮きや剥がれが見られる場合は、既存の塗膜を剥がす必要があります。
この際も専門家に依頼することをおススメします。
構造クラックが見られる場合は、専門業者に一度建物全体の状態をチェックしてもらいましょう。
補修に必要な費用は?
ヒビの幅や長さにもよりますが、通常は1平米あたり5,000円前後で補修してもらえます。
外壁塗装を専門に手がける業者の場合、外壁全体を塗装する際のオプションとして補修を行うケースが多いようです。
外壁塗装の値段は、塗料の種類によって大きく変わりますが、50~100万円程度とある程度まとまった費用がかかります。
まとめ
ここでご紹介したように、モルタルは経年劣化でヒビが入りやすい素材です。
ヒビを放置していると、大きな補修が必要になってしまうかもしれません。
見つけたら放置せず、早めに補修することが家を長持ちさせるコツです。
いざというときに頼れるよう、気軽に呼べる住宅のメンテナンス業者を見つけておきましょう。
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