管理状態の良い中古マンションの見極め方
マンションは管理を買え、とよく言われます。
マンションの資産価値として立地の良さは良く取り上げられますが、それは購入後には変えられないものです。
しかし、マンションの管理状態はマンション毎に異なり、一目では判断をつけることが難しく、またその違いはマンションの資産価値を大きく左右します。
マンションの管理状態を見極める良い方法をまとめました。
中古マンションを築年数だけで判断しない!
中古マンションを購入する方は増加傾向にあるとはいえ、まだまだ日本では新築マンションが好まれる傾向にあります。
これと関連して、中古マンションであっても築年数が若いものが好まれる傾向があります。
しかし、建物の築年数だけで、中古マンションの価値を測ることは危険です。
例えば同じ築10年のマンションがあったとして、その2つの建物の劣化具合が同程度とは限りません。
いや、かなり違うでしょう。
表面だけきれいにしてあったとしても建物の構造部分の劣化が進んでいれば長期的な価値は低いと考えられます。
中古マンションを購入する時は、築年数や目に見える壁紙やフローリング・キッチンやお風呂などの住宅設備機器だけで判断せず、構造体や配管など建物全体の状況を冷静に判断する必要があります。
大事なのはマンションの管理状態
中古マンションの購入において、大切にすべきなのは現在の建物の状態や維持管理状態・長期の修繕計画、つまりマンションの管理状態です。
建物は当然のことながら、年数を経るごとに劣化していきます。
しかし、その劣化具合は建物によって異なります。
中には、築10年のものより築20年のものの方が状態の良いものも存在します。
また、現在の状態も大事ですが、今までどのように維持管理されてきたのか、これからどう管理していく予定なのかも重要です。
マンションは20年や30年の長期にわたる修繕計画を作成し、その計画をベースに維持修繕を積み重ねていきます。
その為マンションの管理組合で長期修繕計画を作るのですが、この長期修繕計画自体の出来が悪かったり、計画を立てたものの実行されていなかったりすることがあります。
管理状態はこの2つの書類でチェック!
中古マンションの管理状態をチェックするには、「長期修繕計画書」と、「重要事項調査報告書」をチェックすることが大切です。
長期修繕計画書とは
長期修繕計画書とは、簡単にいってしまえば「マンションを長期的に修繕していくために作成する、資金繰りのための計画書」です。
マンションを購入するとほとんどの場合修繕積立金を毎月支払っていく必要がありますが、この修繕積立金は長期修繕計画書に基づいて徴収されています。
長期修繕計画書は新築時に作成されますが、建物の劣化状況や社会環境の変化・借入金の金利の変動などにより、5年程度ごとに見直しが必要とされています。
販売会社は、売却を目的として将来必要な費用を安く見積もっている場合もあります。
適切な計画が立てられているか、また定期的に見直しがされているかを確認するようにしましょう。
重要事項調査報告書とは
重要事項調査報告書はマンションの管理会社が発行するもので、一般的には売主から売却依頼を受けた不動産仲介業者が不動産売買契約締結時に読み上げる重要事項説明書を作成するため利用するものです。
重要事項調査報告書には対象となるマンション名・部屋番号・所在地など基本的なことのほか、修繕積立金の総額や月額、滞納額、改定予定日、修繕工事履歴、大規模修繕工事の予定日などが記載されています。
上記以外にもさまざまな項目が掲載されていますが、特に修繕積立金の支払額や改定予定、修繕工事の履歴と次回の大規模修繕工事の予定など管理に関する項目は管理会社の発行する重要事項調査報告書でしか確認することができません。
購入前に管理状態についてしっかり把握しておきましょう。
書類を揃えたらプロと一緒に物件を見に行こう
長期修繕計画書や重要事項調査報告書は管理状態を確認するために必要な書類です。
しかし、素人が見てもすぐに理解できるものではありません。
2つの書類を揃えたら、詳しい知人や、不動産仲介会社の担当者と一緒に物件を見ながら説明を受けると良いでしょう。
まとめ
管理状態の良い中古マンションを見極めるには現在の建物の状態に加えて、維持管理状況と長期の修繕計画を確認が欠かせません。
そのために、長期修繕計画書と重要事項調査報告書書類を揃えて、できるだけプロの意見を聞きながら物件を見学するようにしましょう。
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