マンションのリノベーションで土間を作るメリットとは?
昔ながらの和風建築では、あたり前に設けられていた「土間」というスペース。
今、その利用価値が見直されつつあります。
おしゃれなデザインばかりを手がける新進の建築家の中には、好んで土間を設ける人も少なくありません。
マンションのリノベーションで、土間を設ける人も増えてきました。土間があることによって、住宅内部の空間をどのように利用することができるのでしょうか。
こちらでは土間ならではのメリットや、土間を取り入れる際の注意点などをご紹介していきます。
そもそも土間って何?
土間とは住宅の内部にあって、床面よりも低く設定されており、土足で行き来することを前提に作られたスペースです。
一般的な家に必ずある玄関で靴を脱ぎ履きするスペースも、土間といっていいでしょう。いわば屋外と屋内をつなぐ、中間点のような場所です。
土間はコンクリートやタイル、三和土(たたき:赤土や砂利、消石灰などを混ぜて固めた素材)などで仕上げます。
近年、マンションのリノベーションで土間スペースをあえて広く設ける建築が増えているのです。
土間の持つメリット
メリット1:収納スペースとして
自転車やバイク、ガーデニンググッズ、ベビーカー。屋外で使うけれど、外に置きっぱなしにしたくないものは意外と多いですよね。
特にマンションの場合、屋外に物置などを設置することができません。そのため、物の置き場所でストレスを感じておられる方も多いのではないでしょうか。
そんな「汚れるけれど、汚したくない、放置したくないもの」を収納するスペースとして、土間はピッタリです。
庭で雨ざらしにしたり軒先で紫外線に当てたりしていると、これらのものは意外にすぐ傷んでしまいます。
土間は収穫したての泥付き野菜や、台風時の花の鉢の避難所としても活躍してくれます。
流行が続く薪ストーブを設置する際も、土間があると薪を運びやすいですね。
「小型犬ではないから室内は無理だけど、目に届く場所にいさせてあげたい」という方が、愛犬の居場所とする場合もあります。
メリット2:パントリーにも
買い物をたくさんすると、玄関先のちょっとした段差を上って荷物を運ぶのが大変です。
荷物があると、靴を脱ぐ作業も負担ですよね。
そんな時、土間にパントリーがあれば楽に荷物が運べます。
靴を履いたままの水平移動なら、それほど負担になりません。
キッチンとの境目にパントリーを設け、双方から開けるようにしておく方法がおすすめです。
ゴミ袋の一時置き場としても活躍。室内に置くより衛生的ですし、カラスやネコにいたずらされる心配もありません。
土間づくりの注意点
土間は便利なスペースですが、実はデメリットも存在します。
土間を設置する際は、次のような点に注意しましょう。
デメリット1:冬場に底冷えする
土間は地面に近い低い場所なので、冬場になると底冷えしてきます。
収納スペースとして使用する場合はそれほど気にする必要がありません。
ただし、テーブルを置くなど人が過ごす空間として使う場合は、底冷えの対策が必要です。
できれば土間部分に、床暖房を設置しましょう。
デメリット2:段差ができる
土間は低い位置になるので、どうしても通常の床面との間に段差ができてしまいます。
高齢になると段差の上り下りが面倒になってくるでしょうから、リフォームを見越したつくりにしておきましょう。
住宅は何十年にもわたって使い続けるものです。土間を作る場合は、将来を見越した設計ができる建築家にまかせましょう。
まとめ
こちらではマンションのリノベーションで土間を作るメリットや、注意点についてご紹介しました。
マンションではどうしても、区分所有者の利用できるスペースが限られます。
限られた空間内で用途に合ったスペースを確保する手段として、土間が注目されているのではないでしょうか。
このようにアイデア次第で、空間の利用法はさまざまな広がりを見せてくれます。
自分の暮らし方を思い描きながら、理想の間取りを形にしていきましょう。
[ad1]