プラスターボードのメリットおよび注意点とは
プラスターボードは石膏を主成分とした素材で、あまりなじみのない言葉かもしれません。
ですが住宅においてはビニールクロスや塗り仕上げの下地として、内壁や天井によく使われています。
本記事ではプラスターボードについて用途やメリット・デメリット、注意点などお伝えしていきます。
プラスターボードの用途とは
プラスターボードは石膏やドロマイト(苦灰石)、石灰などを材料とするプラスターを芯にボード状にしたものです。
高い耐久性や断熱性、遮音性を持っていることから、ビニールクロスの下地の他、天井やフローリングにも利用されます。
プラスターボードは比較的安価でありながら、上記性能に加えて防火性能や防カビ、吸湿性能などを備えた素材もあります。
例えば、「1階と2階の間に施工するプラスターボードは高い遮音性を持つものにする」など、施工する箇所によって特性を変えることも可能です。
プラスターボードのメリット・デメリット比較
プラスターボードにはどのようなメリット・デメリットが存在するのでしょうか?
プラスターボードのメリット1:低コストに抑えられる
プラスターボードはさまざまな機能を持たせることができるのにも関わらず、比較的安価に抑えることができます。
プラスターボードは厚さによって価格が異なりますが、例えば9mm程度のもので1枚あたり(910mm×1,820mm)300円前後、15mm程度のもので1枚あたり(910mm×1,820mm)700円程度で購入可能です。
また、文房用具のカッターで切ることもできるなど、比較的施工も簡単でDIYでのリノベーションも十分可能です。
プラスターボードのメリット2:断熱性が優れている
プラスターボードはおよそ21%が結晶水から作られていることもあり、高い断熱性を持ちます。
結晶水は熱が加わると分解され、蒸発し、水蒸気となることで温度上昇を抑える効果があるのです。
また、石膏そのものが伝熱を防止する素材のため、夏場に熱を遮断する効果を期待できるのに加え、火災の際に延焼を防ぐ効果もあります。
プラスターボードのデメリット1:ビスなどの穴を容易にあけられない
プラスターボードは比較的施工の簡単な素材ですが、ビスなどの穴は木の板のように簡単に空けることはできません。
プラスターボードは、面に対しては丈夫ですが一箇所の点に対してはすごく脆いという特徴があります。
無理矢理ネジやビスを打ち込もうとすると、粉がポロポロと落ちてしまうのです。
これを防ぐためには、プラスターボード用のネジが市販されているのでそれを使うか、もしくは壁に貼って剥がせる粘着シールを使用します。
プラスターボードのデメリット2:水にはあまり強くない
プラスターボードは耐熱性や防火性に優れますが、一方で防水性に劣ります。
素材の特性上、濡れると強度が下がってしまうのです。
もし、施工中に水で濡らしてしまったり、業者の施工中、プラスターボードが濡れていることが分かったりした場合は取り換えるようにしましょう。
そのまま放置すると、プラスターボードの上にはる壁紙の施工に不良が生じたり、カビが生えてしまったりします。
プラスターボードを設置する際の注意点
プラスターボードを導入する際にはどのような点に注意するとよいのでしょうか?
施工時の粉塵に注意
プラスターボードを切断、加工などする際に粉塵が発生する場合があるので注意しましょう。
粉塵が目や口、鼻などに入ってしまうことを避けるため、施工前にゴーグルやマスクを準備しておくようにします。
水分や湿度に注意
デメリットでもお伝えしたように、水分に弱い性質があります。
そうなることによって強度がおちます。
ですので、防水シートなどで常に水分や吸湿することが大切になります。
高温多湿な場面での施工はおススメできません。
もし、濡れてしまった場合は乾かしてもう一度使うのではなく、張り替えてしまったほうがよいでしょう。
保管場所は50℃以上にならないように注意
プラスターボードを50℃以上の場所に長期間保管すると防火性能などの性能を下げる場合もありますので注意が必要です。
保管場所については50℃以上になることのない場所に保管するようにします。
プラスターボードのクリープに注意
床にプラスターボードのみを使用する際、長期間重いものなどを置いているとそこにクリープ(時間とともに歪みが生じる現象)が起こる場合があります。
冷蔵庫など長期間重いものを置く場所には、構造用合板などを使用して荷重を受ける対策が必要です。
まとめ
最近は、多くの住宅やマンションの内壁や天井の下地としてプラスターボードが利用されています。
その理由は安価でありながら、耐熱性や耐久性、防火性能などに優れるからです。
一方で、防水性に劣るなどのデメリットもあるのでDIYでリノベーションする際は、なるべく湿気や水分からは遠ざけて施工することが大切です。
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