新築マンションと中古マンション お得なのはどっち?【お金・構造で徹底比較】
マンションを購入する際、新築と中古のどちらがよいか迷う方は多いようです。
日本では新築の建物が偏重される傾向にありますが、実は世界的にみるとそういった国はあまりほかにありません。
新築と中古、それぞれにどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
こちらでは、必要なお金や構造の面から比較していきます。
新築マンションor中古マンション 価格de比較
建物の価値は、築年数の経過とともに低下していきます。
築20年もすれば、マンションの価値は新築の半額程度です。
築年数が経過したマンションは安価に手に入れることができます。
大幅なリノベーション工事費用を合わせても、新築より安くなることが多いのです。
これまで日本では新築住宅が偏重されており、一度誰かが住めばその時点で10%程度価値が下がるといわれてきました。
しかし近年では物件の品質が上がり、価値が下がりにくくなっています。
築5年程度のマンションでは、価格の低下が新築の10%以内に収まっている例もあります。
築浅マンションは希少な存在
築年数が浅いマンションは内装を自分好みに変更するなど、表面的なリフォームだけで十分に生活が可能です。
そのため、リフォーム代をプラスしても新築マンションより費用が抑えられることも。
ただし、リフォームが必要ないレベルの築浅マンションは市場にあまり流通していません。
流通数が少ないと人気が集中し、価格が高騰しがちです。
流通している中古マンションの7割以上が、築16年以上の物件。
築浅ということにこだわり過ぎず、価格やリフォーム代、諸費用などを合わせたトータルで比較しましょう。
新築マンションor中古マンション 費用de比較
初期費用の面では?
物件の購入費用は、当然新築よりも中古マンションのほうが安くなります。
ただし築年数が経過したマンションは割安ですが、リフォーム代は大きくなりがちです。
リフォーム代は建材の質や工法、工数などによって違ってきますが、設備などが老朽化していれば取り替えざるを得ません。
ある調査では、築10年以下のマンションではリフォーム代が100万円以下におさまる割合が33.3%、築30年超のマンションでは12.3%という結果が出ています。
間取りを変更するような大規模リノベーション工事を行えば、1000万円を超えるケースも出てきます。
希望する工事内容に対し、どの程度のリフォーム代がかかるのか。
それを事前に業者に確認しておき、物件の下見にもできるだけ同行してもらいましょう。
そうすれば、物件の購入費用とリノベーション工事代金を合計した金額で比較が可能です。
諸費用も忘れずに!
不動産取引では、各種諸費用がかかります。
新築でも中古でも必要になる諸費用には、主に次のようなものがあります。
印紙税 | 売買契約書やローン契約書に貼付。 |
---|---|
登録免許税 | 土地、建物、住宅ローンの抵当権の登記に必要。 |
団体信用生命 保険料 |
住宅ローンを借り入れる金融機関によって異なる。民間金融機関は通常不要だが、住宅金融支援機構のフラット35では必要(その際は保証料が不要)。 |
新築マンションでのみ必要になる項目には、「修繕積立基金」があります。
マンションによって異なりますが、突発的な修繕に備えて最初に積立金を一定額徴収するシステムです。
これらを合計し、新築マンションでは諸費用がおおむね物件価格の3~5%かかると考えておけばよいでしょう。
一方中古マンションでは、不動産会社に対して仲介手数料が必要です。
400万円以上の物件では、仲介手数料の上限が法律上「{(物件価格×3%)+6万円}+消費税」と設定されています。
3000万円の物件なら、100万円以上の仲介手数料がかかるわけです。
仲介手数料の金額が大きいため、中古マンションでは物件価格に対して6~8%の諸費用が必要になります。
中古マンションを購入する場合、諸費用は手もと資金で支払えるよう現金を多めに用意しておきましょう。
維持費の面では?
新築住宅は物件の価格自体が高くなりがちです。
物件価格は、当然住宅ローンの返済額に直結します。
住宅ローンの返済以外に継続的にかかる費用には、「固定資産税」「都市計画税」「団体信用生命保険料」「管理費」「修繕積立金」などがあります。
こうして数え上げると、項目数が多く感じられるかもしれませんね。
ただ、新築マンション(3階建て以上の耐火構造・準耐火構造住宅)には購入後、5年間にわたって固定資産税が半額になる優遇税制が適用されます。
2018年3月末までに新築された認定長期優良住宅なら、優遇期間は7年間です。
そのため、同じ評価額であれば維持費の面では新築住宅がオトクになります。
設備の故障なども起こりにくいため、修繕費用もかかりません。
修繕積立金の金額も、通常新築マンションでは安く設定されています。
新築マンションor中古マンション 構造de比較
マンションの共有部分は、自分の意思だけでリフォームや修繕などを加えることができません。
それだけに構造の良し悪しは、重要な比較対象となります。
築30年を超えるマンションの中には、配管がコンクリートに埋設されていて交換ができない構造のものもあります。
その場合は配管が傷むと、コンクリートの外側に新たな配管を通したりコンクリートを壊して工事したりといった対応が必要です。
それが原因で、建物の強度が残っているのに建替えとなったマンションも少なくありません。
中古マンションを購入する場合、そういった構造は避けましょう。
新築マンションでは耐震性に加えて省エネや災害対策への取り組みが進んでおり、安全性と品質が両立されています。
耐震性を見分けるには
建築基準法におけるマンションの耐震基準は、大きな災害が起こるたびに見直されてきました。
そのため、建築時期によってある程度耐震性の有無が判断できます。
耐震性の面で大きな転機となったのは、やはり1981年に施行された建築基準法の改正です。
施行以降に建築申請を行っている建物には、新耐震基準が適用されています。
それ以前のマンションでは、耐震診断や耐震補強工事の有無を確認しましょう。
古い時代に建てられたマンションの中には、基準を大幅に上回る堅牢なつくりの建物も存在します。
そういったものであれば、耐震性の問題はありません。
品確法以降の変化
2000年には、住宅品質確保促進法(品確法)が施行されました。
それ以前は床のコンクリートの厚みが15cm程度の物件が主流でしたが、それ以降は18~20cm程度のマンションが一般的となっています。
床の厚みは遮音性能につながります。
また、二重床や二重天井を取り入れたり、梁や柱の出っ張りをなくしたりといったマンションも品確法施行以降に増加しました。
構造材が専有部分に影響しない工法を採用した、「スケルトンインフィル」という構造のマンションも登場しています。
これらは家具の配置や間取り変更などが容易で、リノベーションを加えながら長く住み継ぐことができる住宅となっています。
そうでない古いマンションだと間取りが制限されるケースもあるので、購入前にリノベーション業者に相談することをおすすめします。
まとめ
中古マンションは新築マンションよりも安く手に入ります。
リノベーションの工事費や維持費の違いをまかなえるほど大きな違いが出るなら、中古マンションを選んだ方がオトクになります。
ただし、築浅マンションの価格は新築とそれほど大きな違いがありません。
一方で新しい物件になるほど、リノベーションに適した二重床や二重天井など構造が工夫されています。
リノベーションをするなら築年数と価格のバランスを考え、一定のコストメリットが期待できる物件を選びましょう。
耐震性や構造などに対して「ここは譲れない」という基準を定めておけば、中古マンションを選びやすくなります。
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