【資産性が高い】スケルトン・インフィル・マンションをご存知ですか?
マンションを購入するときは、数百万円から数千万円のお金を支払います。マンションは住まいであると同時に、資産価値を持つ不動産です。
不動産の所有者にとって、不動産の資産価値は重要です。その資産価値を維持しやすいとして注目を集めているのが、「スケルトン・インフィル・マンション」です。
スケルトン・インフィル・マンションとはどのようなもので、どんなメリットがあるのでしょうか? 今後の住まい選びの参考にしていただけるよう、詳しくご紹介していきます。
スケルトン・インフィル・マンションとは
「スケルトン・インフィル・マンション」とは、分譲マンションの区分購入者が、内部を自由に決められる種類のマンションです。
一般的に、次のような特徴があります。
スケルトン・インフィル・マンションの特徴
- スケルトン(躯体)の耐震性が高い
- 建物の耐久性が高い
- 空間にゆとりがある
- 区分の空間に柱や梁が出ていない
- 間取りの変更が自由
- 設備や配管の位置が自由
- 設備や配管のメンテナンスがかんたん
日本では比較的新しい工法で、2000年ごろから徐々に普及しはじめました。
「スケルトン」と「インフィル」の頭文字をとって、「SI」と略されることもあります。
スケルトンは柱や梁、床といった建物の躯体を指します。インフィルは内装のことです。
部屋の間を仕切る内壁やトイレ、キッチンなどの設備を指すほか、外壁も建物を支える骨格ではないのでインフィルに含まれます。
今までのマンションは、間取りや設備の位置などを業者がある程度決めた状態で販売されていました。
これまでのマンションでも、購入時期によっては建築設備のグレードや建具の色などを選ぶことができます。
また、部屋の間の仕切りを取り払うなどのアレンジも可能でした。
しかし配管の位置などにかかわる間取りや設備の位置は、自分で決めることができませんでした。
それに対しスケルトン・インフィル・マンションは、骨格部分と内装部分をわけて販売します。
それによって自由度を大幅に向上させており、骨格以外の内装を自分で決めることができるのです。
キッチンや浴室などの配管をともなう設備の位置も、自由に決められます。
もちろん、ある程度モジュール(基本寸法)に沿った設計が必要です。
リノベに最適!スケルトン・インフィルのメリット
スケルトン・インフィル・マンションの最大のメリットは、可変性が高いことです。
新築時の間取りも自由ですが、特に中古マンションを購入してリノベーションしようと検討している人には、魅力的な物件といえるでしょう。
そのほかにも、次のような点がメリットとしてあげられます。
スケルトン・インフィル・マンションのメリット
- 可変性が高い、リノベーションの自由度が高い
- 耐震性が高いので安心
- 外断熱なので快適
- 耐久性が高く、資産価値を維持しやすい
- 中古市場で高く売却しやすい
通常のマンションの場合、リノベーションをしたとしても水回り設備などの位置にある程度制約があります。
取りのぞけない構造壁が邪魔で、間取りを自由に変更できないことも少なくありません。
一方スケルトン・インフィル・マンションは、基本的に二重床や二重天井になっています。
水回りの配管や電気配線、ダクトなどを移動させやすい構造です。
構造壁が専有部にあまり張り出さない構造になっていることが多く、間取りも自由にかえられます。
マンションの間取りは、万人に向けて作られたものです。
それが居住者一人ひとりにとって、最適な間取りとはいえません。
スケルトン・インフィル・マンションなら、「もう少しここがこうだったらいいのに」と思う部分を自由に変更できます。
高齢になったり子どもが独立したりといった、ライフスタイルの変化に応じたアレンジも可能です。
耐震性が高いことが前提なので、長く安心して住むことができます。
内装によって断熱することが難しいため、外断熱工法が用いられることが多く、家の中全体が快適になります。
内装や間取りにとことんこだわりたい人や、「車いすの家族が住みやすい住宅」などの事情がある人に、オススメのマンションといえます。
さらに、資産価値を維持しやすいという点も大きなメリットです。
今はマンションにずっと住み続けるつもりでも、仕事や家族の都合で引っ越す可能性は否定できません。
将来的にマンションを手放すことになった場合、少しでも高く売却できると経済的に助かります。
スケルトン・インフィル・マンションは構造体が丈夫であることが前提で、リノベーションの自由度が高い建物です。
これらの特徴から中古マンションとして人気があるので、買い手がつきやすく、売却価格が高くなりやすいというメリットがあります。
なぜスケルトン・インフィルなのか
スケルトン・インフィル・マンションが生まれた背景にあるのは、マンションの構造体と内装設備の耐用年数の違いです。
近年になって建てられた鉄筋コンクリート(RC)造の建物は、構造体が丈夫です。
適切な管理やメンテナンスをしていれば、100年以上使うことも十分にできます。
それに対して内装材や作り付けの家具、水回り設備などは20~30年程度しか持ちません。
まだ使える建物の躯体を生かし、傷んだ内装や外装の部分を丸ごと取り換えられるのがスケルトン・インフィル・マンションです。
以前のマンションは構造体と内装や設備が一体となっていました。
そのため配管などの交換ができず、設備が傷んだ段階で建物を建替えざるを得ないというケースがありました。
まだ使えるはずの建物を壊していたことで、結果的に廃棄物が増え、資源の無駄につながってきたのです。
近年になって、配管用の「パイプスペース(PS)」を確保したマンションが一般的になりました。
これによって、配管の交換工事が容易になっています。
しかし大規模な修繕工事では居住者に影響が出ることもありますし、自由度も十分とはいえません。
スケルトン・インフィル・マンションは、PSを共用部分に配置しています。
これにより修繕工事をさらに容易にしており、室内の間取り設定の自由度をより確保できるようになりました。
配管にかかわる工事中、生活に支障をきたす心配もあまりありません。
丈夫な建物を長く使うことは、エコの観点からも重要です。
国土交通省も長期優良住宅につながるとして、間取りの可変性が高い建築方法の普及を推進しています。
スケルトン・インフィルの注意点
万能に思われるスケルトン・インフィル・マンションですが、実はいくつかの問題もあります。
- 定義があいまい
- 間取りは自由だが、水回り設備の変更にはコストがかかる
- 管理規約で間取りに制限があることも
- 水回り設備の騒音
スケルトン・インフィルは比較的新しい仕様なので、まだそれほど普及が進んでいません。
そのため、定義があいまいな部分があります。
中には上記でご紹介した特徴にあてはまらないものもあります。
専有部分にPSが入り込んでいたり、間取りに制限があったりするものです。
また、水回り設備の変更をともなう大規模なリノベーションは、スケルトン・インフィル・マンションであってもコストがかかります。
自分の希望する間取りに近いマンションを探した方がよいケースもあるので、不動産会社の担当者に相談してみましょう。
水回り設備の騒音対策
スケルトン・インフィル・マンションが登場した当初、問題となったのが騒音トラブルです。
上下階の部屋や隣の部屋が、どこに水周りを設置しているのか住んでみなければわかりません。
寝室の真上に浴室があるというケースも発生するわけです。
ただでさえマンションでは騒音トラブルが多いので、この対策が問題となりました。
そこで登場したのが、「水回りゾーン制約型SIマンション」です。
住戸の中心近辺に帯状の水回りゾーンを設け、浴室や洗面、トイレ、キッチンなどをそのゾーン内に配置します。
これなら周辺の住戸と共通する位置に水回りが配置できるので、トラブルに発展するリスクがあまりありません。
間取りの自由度は減ってしまうので、どちらを優先するかをしっかりと考えて決めましょう。
まとめ
資産性の高いスケルトン・インフィル・マンションをご紹介しましたが、いかがでしたか?
建物の建築には、大量の資材を必要とします。
丈夫な入れ物をつくり、中を自由にかえられるようにするスケルトン・インフィルという考え方は、資材の有効活用につながります。
「売却」という選択肢があれば、住む場所の選択肢も広がるかもしれません。
住みやすく資産価値の高い家を手に入れる方法として、一度検討してみてはいかがでしょうか。
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